お知らせ

2024年度の諏訪湖の動物プランクトン調査結果がまとまりました

研究活動

2025年7月10日

県では、2016年に諏訪湖で発生したワカサギの大量死をきっかけに、植物プランクトンと動物プランクトンの調査を実施しています。

2024年度の動物プランクトン調査は、水産試験場諏訪支場が実施しました。2024年度の調査結果は以下のとおりです。なお、種類ごとの詳細なデータについては、今後データがまとまり次第、データベースのプランクトン調査から公表します。

植物プランクトンの調査結果についても、集計できましたら、お知らせいたします。

動物プランクトン調査結果

2024年度の諏訪湖(湖心)のワムシ類個体数(柱状5メートル)
2024年度の諏訪湖(湖心)の甲殻類個体数(柱状5メートル)

観察された動物プランクトン(ワムシ類)

採水年月日第1優占種第2優占種
2024年4月23日Keratella
(カメノコウワムシ属)
Filinia
(ミツウデワムシ属)
2024年5月22日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Keratella
(カメノコウワムシ属)
2024年6月19日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Trichocerca
(ネズミワムシ属)
2024年7月18日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Trichocerca
(ネズミワムシ属)
2024年8月21日Brachionus
(ツボワムシ属)
Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
2024年9月17日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Pompholyx
(アワワムシ属)
2024年10月21日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Pompholyx
(アワワムシ属)
2024年12月4日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Brachionus
(ツボワムシ属)
2024年12月24日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Brachionus
(ツボワムシ属)
2025年1月27日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Pompholyx
(アワワムシ属)
2025年3月21日Polyarthra
(ハネウデワムシ属)
Filinia
(ミツウデワムシ属)

観察された動物プランクトン(甲殻類)

採水年月日第1優占種
2024年4月23日Bosmina
(ゾウミジンコ属)
2024年5月22日Cyclopoida
(キクロプス目(ケンミジンコ目))
2024年6月19日Daphnia
(ミジンコ属)
2024年7月18日Bosminopsis
(ゾウミジンコモドキ属)
2024年8月21日Bosmina
(ゾウミジンコ属)
2024年9月17日Nauplius
(ノープリウス幼生)
2024年10月21日Cyclopoida
(キクロプス目(ケンミジンコ目))
2024年12月4日Nauplius
(ノープリウス幼生)
2024年12月24日Nauplius
(ノープリウス幼生)
2025年1月27日Nauplius
(ノープリウス幼生)
2025年3月21日Nauplius
(ノープリウス幼生)

動物プランクトンの種類

ワムシ類

多くは体長0.1~0.5mmほどの小さな動物。前端に輪盤があり、そこに生えている多数の繊毛の運動によって藻類などの餌を引き寄せる。普通後端は足になりその末端に趾(あしゆび)がある。硬い被甲をもつものとこれを欠くものがいる。※1

コシブトカメノコウワムシ
コシブトカメノコウワムシ
ハネウデワムシ属
ハネウデワムシ属
ツボワムシ属
ツボワムシ属

甲殻類

硬い殻で覆われた節足動物の仲間。かみ口式、2対の触角、2枝よりなる有節の附属脚、1対またはそれ以上の対よりなる排出器を有する。※2

カイアシ類

長さ0.5~2mmほどの甲殻類。体は普通こん棒状で、明瞭な体節に分かれる。基本的に頭部、胸部、腹部の3つの部分からできていて、円筒状のロケットのような形をしている。※2、※3

ケンミジンコ目
ケンミジンコ目

ミジンコ類

多くは長さ0.3~2mmほどの甲殻類。普通、体はほぼ楕円形。頭部と胴部に分かれ、胴部の体節性は不明瞭で左右から背甲で覆われる。頭部には大きな複眼が1個あり、小さな単眼もある。左右に大きく伸びた手のような構造は第2触角であり、途中から二叉に分かれ、遊泳器官として用いる。※1

ゾウミジンコ属
ゾウミジンコ属
カブトミジンコ
カブトミジンコ

測定方法

諏訪湖湖心で水深5mまでの水を柱状に採水し、NXXX25(目合41μm)(2024年度まではNXX25(目合63μm))のプランクトンネットでろ過した。濃縮したサンプルを検鏡・計数し、湖水1L当たりの個体数を算出した。

(引用文献)

※1 中山剛・山口晴代著「プランクトンハンドブック 淡水編」(文一総合出版2018)
※2 小島貞男・須藤隆一・千原光雄編「環境微生物図鑑」(講談社1995)
※3 滋賀の理科教材研究委員会編「やさしい日本の淡水プランクトン改訂版」(合同出版2008)

(参考文献)

水野寿彦・高橋永治編「日本淡水動物プランクトン検索図説」(東海大学出版会1991)

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